旅 2018年・福井~兵庫巨樹探訪旅3 / 0件のコメント 〇4日目 昨夜のうちに敦賀から日本海沿いに走り、京都に入りました。 ここは京丹波市の道の駅。 数台のご同類(車中泊)の方々がおられるだけ、真っ暗で安穏。 よしとばかり、早々就寝しました。 で、明けて5時半起床。 NHKラジオを聴きながらパン、オレンジジュース、チーズのブレック・ファーストをし、顔を洗って、散歩に出かけました。 道の駅のすぐ下が由良川という大きな川で、鮎の漁場でもあるらしい。 でもどうやら怒ると怖いらしく、川岸がかなり派手に破壊されていました。 京都も、だいぶすごい水害がありましたからね……。 その後、兵庫の県境までコマを進める。 兵庫は、前回の旅(「2017年・九州~関東 巨樹旅」)での「法雲寺のビャクシン」、「お風呂なくて困る」、「神戸の渋滞困る」……しか記憶にない。果たして今回は?? 道の駅で待ち合わせですが、勢い1時間も早く付いてしまい、持て余す。 天気はとてもいいので、合羽を干したり、コーヒー買って来て調べごと(主に今日のお風呂ポイント)や書き物を楽しみます。 ははは、こういう時間もおつなもんだよ、とか言ってる間にto-fuさん到着。 ウチのクルマにまとまって頂き、山の幸豊かな丹波篠山市の巨樹探訪を開始しました。 ばつぐんの機動力(自称)を活かし、絵になること山の神の如し「藤坂のカツラ」に会いに行きました。 関東平野では、あまりカツラ巨樹には出会えないので、実にフレッシュな気持ちで対峙することができました。 藤坂のカツラへの道は結構険しかった。 待ってよto-fuさァーん。 ここまで来たんだから這ってでも行きますが、這って行きたくはない。 「藤坂の大カツラ」 山の神様は女神なんだとよく聞きます。女の人が山に入るとヤキモチを焼いて荒れるといい、女人禁制になったと。 性質はともかくとしても、カツラの巨樹には、強さと同時に女性的な面もあると感じます。 巨樹として評価が難しい……なんて言ってないで、もっと訪ねてみたいですね。 ところで、この丹波地方で覚えておきたいのが、この、ケダモノ侵入を防ぐ鉄ゲートの存在です。 とても緑が多い地方で、獣を囲むんではなく、人間自らを囲んでいると言った方が正しいように感じる。 だから、「外」の領域へ出て行くには、これを開けて出て、また閉めておかなくてはいけません。 一体これからどういう無法地帯に踏み出して行くんだ? ……とドキドキしますね。 「安田の大杉(甚七森)」 続いて、堂々たる体躯の「安田の大杉」に出会いました。 周辺環境がちょっと騒々しいところにある巨樹ですが、良い樹です。 せっかく見つけやすいところにあるので、皆により親しまれて欲しいと思いました。 杉から0分のお隣さんにある「一本杉販売所」。 別に一本杉を売ってるわけじゃなく、ミニ道の駅みたいな施設ですね。 ここでご飯も食べられる! 安田の大杉がもたらしてくれた、この旅随一の素材の良いお昼ご飯です! うまかった! ソースカツ丼の中毒性はたまらんもんがありますが、こんな旅を続けてると、ちゃんとしたお食事が身体にしみる。 大杉ありがとう! お昼の日が暑い中、デカンショデカンショ進んで(意味不明)、「辻の四本杉」に会いに行きます。 すでにこの巨樹の記事をお読みの方はご存じでしょうが、厳しいトラップをかいくぐらねばならない。 大友克洋センセイの「AKIRA」第2巻にそっくりな場面がありますが、そっくりなことを我々はしたと思う。 だけどまあ、フウー、なんとかなったぜ……(実際はそんなにクールではない)。 「辻の四本杉」 合体樹であることをむしろ誇示しているかのような四本杉。 キリンのような立ち姿、にしては首がやたら多いですけどね。 山里の神社の雰囲気も良く、でかい蜂さえいなけりゃ、もっとゆっくりしたかったです。 ああもう帰りも…… 実際電気ビリビリだったかどうか、触ってないのでわかりませんが、見に行く方は十分気をつけて! 周辺に人がいてくれるとは限りませんが……途中の畑にいらっしゃったら、事情を聞いてみたほうがいいかもしれない。 もちろん夜間は無理! さて、次なるポイントまでは、そこから少し走ることになりますが…… 愉快に車を走らせていると、目の前にノーマークの巨樹がポンと現れたりもします。 もちろん我々は車を停めて見に行きます。 「春日江のカヤ」 あなたは誰? と問うに、「春日江のカヤ」というらしい。 公民館の目印みたいに立っていて、老いた雰囲気を漂わせながらも、高々と枝を天に向けている。 公民館も含めて周囲が非常に綺麗で、たくさんの方々から大切に思われていることは間違いない。 周囲の環境込みで渋い良い樹だなあとしみじみ感じる樹でした。 「追手神社のモミ」 さてさて、のどかな光景の中を進んで。 日本一のモミの巨樹「追手神社のモミ」にも会うことができました。 唸るほどデカい樹、しかし、唸ってもどうしようもない樹です。 ソフビみたいなファニーな狛犬サンもいて、追手神社は楽しい神社でした(詳しくはモミの記事を読んでくださいネ)。 巨大モミの前に立ってまたジタバタしたいし、再訪したい場所が増えるって、幸せなことです。 「柏原の大けやき(木の根橋)」 日が少し傾き始めた頃、柏原(かいばら)町へと到達しました。 別段無鉄砲をやらかさずに出会える街中の巨樹、「木の根橋」こと「柏原の大けやき」。 この天下の奇景を撮り始めると、すわ出番とばかりにガイドおじさんが出動! グイグイ解説してくれます。笑 芸術でも自然でも巨樹でも同じだと思いますが、自分の感性のままを静かに受け止めたい。 予備知識などは最小限にしておいた方が……とも思うのですが、溢れる愛着から、おじさんたちが説明の手を緩めてくれません。笑 これがまた興味深いエピソードが挟まって来たりするから、聞き流せないのもあって。 なかなかガイドうまいな。 ということで、片割れがおじさんにロックオンされている間にもう片方が撮る。 しばらくしたら交代、みたいな変なチームプレーを展開する異例の事態に。 いやいや、有難いことだと心から思います。 これからも続けて、柏原町を盛り上げていって欲しい。 観光協会的には織田家ゆかりの歴史スポットも余さず回るべし! ということでしたが、小冒険のせいもあり、適度に疲れてもいました。 観光するふりをしてその場を離れ、商店街の喫茶店でアイスコーヒーを飲んで休憩。 戻ってくると夕暮れ。おじさんたちの営業タイムも終了したようでした。 またちょっとケヤキを見て、背後の柏原八幡宮だけはお詣りしていくことにしました。 柏原八幡宮 しかし、時間もさることながら、実感として、ここ柏原で終点とするのがむしろベストだと思いました。 目一杯大切にされている巨樹を喜び、〆とする。 こうあるべきだと思いました。 今回もto-fuさんには重ね重ね感謝。 いずれまた、と距離感のない挨拶を交わして別れました。 さあてと、これからどうすっかな……(ひとり旅モード)。 お風呂さえあれば何とかなっちゃうので、下調べした施設向けて出発。 その夜は、福井県高浜町の、若狭湾を望む道の駅「シーサイド高浜」で過ごしました。 充実の大浴場、完全無欠な施設、広い駐車場……原発マネーの潤いかな。 広大な広間の畳でくつろぎながら、今日あったことをゆっくり回想しました。 21時に仮眠。 〇5日目 午前2時起床、700キロくらいの長い帰り道の日。 「社長、俺をコイツに乗せてくれ」 ……が決め台詞の日野トラックのCMのマネをしながら走り、敦賀の夜景に別れを告げ……日本海側を北上して進みました。 田舎者なので東京は絶対通りたくなく、行きと同じように力の限り日本海側を走って、山越えしながらグンマーやトツギを通過し、我が県を目指します。 長大な新潟。 多分、まっすぐ走っている限りはどこまで行っても新潟なので、新潟の中で生きる楽しみを見出すしか方法は残されていない。 というか、新潟の走りすぎでガソリンが減ってきました。 糸魚川で一度高速を降りてみる。 福井の越前町もそうだったけど、こういう風景が好きさ。 ぶらぶらスナップ撮りながら散歩して、海岸でヒスイ落っこってねえかなあと探すのもいい。 ……そういう時間の使い方をしに来たい。 変なもんで、妙義山あたりまで来ると、いい加減山越えも終わったということなのか、関東に戻って来た感でホッとしてしまう……。 ……そういうわけで、福井・兵庫編、充実度1200%な旅とすることができました。 無茶なプランに付き合ってくださった上、乗算的に充実度パーセンテージを向上させてくれたRYO-JIさん、to-fuさんに改めて感謝いたします。 巨樹もすごいメンツだったし、両地方の懐の深さには感嘆しました。またぜひ行ってみたい。 これからもフットワーク軽く出かけて行きたいですね。 今回もお付き合いいただき、ありがとうございました! < 2018年・福井~兵庫巨樹探訪旅2 関連