ドン! と突然視界を塞ぐ、これこそが「阿豆佐和気神社の大クス」。
「あずさわけ」は、来宮神社の別名らしく、古語でこの土地の地形を述べたものだとか、諸説あるらしい。
さすがに大きい。九州でも四国でもなく、関東にもほど近い位置にこれだけの大クスが存在すること自体、驚愕です。
枯死している幹半分(二株のようにも見える)は、1974年の台風で折れたのが原因だそうです。
ウロになった箇所を巻き込むように樹皮が皺を寄せ、波打ったまま固まった溶岩のよう。
23.9メートルもあるという幹周囲は環境省調査の太鼓判で、幹周囲24.2メートルを誇る日本最大の巨樹、鹿児島県「蒲生の大クス」にも肉迫している。
(水を差すようですが、2019年の高橋弘氏の実測データ/ランキングでは18.25メートルだそうで、全国14位まで後退します。
これほどの大きさになると、どちらの数値に近いのか直感すら働きませんが……差が大きすぎやしないか?
ランキングの方は、諸々の大型カツラや問題児「吹張の大槻木」も含まれています)
4件のコメント
to-fu
やはりこちらも訪問されていましたか。
私ももちろんいつか行こうと「行きたい巨樹リスト」に登録済みのクスノキです。
(しかし行くならやはり車になるので、小田原下田間のエリアは渋滞的な意味で大変難易度が高い。)
あまり他人とかち合うことのない巨樹界ですが、クスとスギの大物だけは若い女性と遭遇することが多い
ような気がします。各地のパワースポット的なサイトに紹介されていることが多いからなのでしょうが。
せっかくの余暇に癒しを求めてパワースポットなる土地をせかせか回る様を見ていると疲れすぎだろ現代人と…
いえ、何でもありません 笑
写真からも噂に違わぬ凄みが感じられるクスですが、この混雑の中ではじっくり巨樹と向き合うのが難しそうですね。
自分が訪問するとしたら絶対に早朝一発目。そこを逃したらスルーでもいいかも…と感じてしまいました。
観光地ど真ん中だからこそ熱意を持って保護された経緯もあるはずなので一概に否定はできませんが、
とにかくまあこの趣味があまりメジャーなものでなくてよかったと安堵しますね。どこに行っても
パワースポッターな人で溢れていたら…きっと自分は巨樹から身を引くことになるだろうなあ。
狛
to-fuさん>
何はともあれ、というか、何がなんでもと言うべきか。
距離の遠近に関わらず、巨樹探訪者なら間違いなくチェックしますね。
チェックはするけど……元関東人の自分も今に至るまで訪問できず、ある意味念願を果たせたとも言えます。
この「スッキリした!」だけでもパワースポット的効果があったと言えるかも?
「志々島の大クス」も、NHKの番組で見たからか、パワースポッター人気が高そうに感じますが、ここほどではないでしょう。
自分はどうしても巨樹に植物界の驚異を求めてしまうので、人生とか重ねて元気になったりはできないタチです。
まだ見ぬ世界に旅立つことのほうがよほど自分を新しくしてくれる……それこそ巨樹探訪とイコールなのだと言えば協調できるかもしれない。
雑踏の中でこの大クスを見ていて、そう勉強した気がします。
そう、時刻設定がすごく大事。
同じく大スポットの「武雄の大楠」は早朝に行ったので誰もいませんで、このような巨大存在と一対一で向き合うのは、何にせよ特別な体験だと感じました。
……いや! 今一度パンフを見ると、来宮神社、9:00からとあります! 商業施設じゃないんだから……!
古くから願掛けスポットだったのだと思いますが、今やまさに極まっているとも言えますね……。
巨樹の立派さ、今回一目見られ、撮れて良かった。
どれも両面的な意味で間違いありません。
RYO-JI
遠く離れた私も知っているメジャーな一本ですね。
もちろん見たい巨樹リストに登録済みですが、そうですね、問題はこの人混みですよ。
樹木に何かを感じ願掛けする文化はとても日本ぽくて良いと思うのですが、厄介なのが〝パワースポット〟というパワーワード(ややこしい)。
特に女性は引き寄せられる気がします。
それ自体は悪い事だとは思いませんけど、ワードだけが先走りしてそこに行っただけでパワーもらったぁ(喜)的な感じがどうも・・・。
あ、愚痴っぽくなってスミマセン。
つまり時間帯を選んで行かないといけないという教訓を得ました(笑)。
じゃないと気が散ってとてもじゃないけど撮影すらままならないように思います。
このクス単体が神秘的かつ荘厳な佇まいが素晴らしいものだけにゆっくり対峙できるタイミングで訪れたいものです。
狛
RYO-JIさん>
書物リサーチ段階から存在感が鮮烈で、同じように、巨樹を見慣れていない地方の人を呼び続けるのでしょう。
まさにto-fuさんが取材されている徳島平野部のクスの真逆の在り方だと思います。
「繰り返す日常をリセットして切り替えたい」という思いは誰にもあるものですが、その要望に応えすぎ、高度に商業化しすぎてますね。
もちろん純粋な信仰心で参詣される方もいらっしゃるはずですが……撮影スポット、イルミネーション、イベント、ファストフード、、某夢の国にもひけを取らない。
タイムマシンで300年前に遡っても同じ光景を目撃するのかもしれず、ということは、こちらが本家夢の国であるとさえ言えるかもと。笑
「パワースポット」自体は、きっと米国先住民やハワイなどの思想で、80~90年代に日本の超古代文明偽書騒動があり、ムー的なピラミッド、ストーンサークル、レイラインなどのオカルトブームが発生し、陰陽五行や風水もごった煮にされ……。
こんな状態をストンと飲み下して楽しめる日本人って、ほんとに思考が寛容で柔軟。
いわば数百年来改良を重ね続けた神木型ソーシャルコンテンツだなと、びっくりしました。笑