幕府が造船する、しかも安宅お目付とあるので、軍船である「安宅船」を作るとして求められたのかもしれません。
時代はちょっと遡りますが、徳川は寛永11年(1634年)に安宅丸という巨大な軍艦を作っており、これが廃船になった際、解体された材は家屋用などに下ろされたらしいです。
ところが、材木として使ってみると、夜な夜な変な声や音を立て、しまいには「帰りたい……」とすすり泣き始めたとか……。
クスは古来から造船に用いられる樹種。
もしかすると、日本各地の霊力ある御神木が伐られて使われていたかもしれませんね。
……と、そこで、大型台風で欠航かもと危ぶまれたフェリーが、どうやら遅れて動くとの連絡が。
この樹をラストに港へ向かうことになりました。
街中にこんな大クスがあるなんて……きっとまた来る、来ないわけにはいかない。
そう思いつつ、四国を後にしたのでした。