もはやどこからが幹なのか定義が難しい体躯ですが、解説板には「幹の回り8メートル」とある。
形状上の幹として考えられる地上3メートル地点で計測すると、この太さになるようです。
そこからは急激にフツウの大ケヤキになっていく(フリをしてるとしか思えない)……。
しかし、どうしたってそれだけの樹ではないですよね。書いてて笑ってしまいますが。
現在オフィシャルとされている巨樹測定法に則って「地上1.3メートル地点での幹周」を測定したところ、なんと、22.8メートルという驚愕の数値を叩き出しているそうですよ!(2003年、高橋弘氏による実測)
単幹で22.8メートル……もしこれを幹周とするなら、かの日本一の「蒲生の大クス」に次ぐ巨樹となる。
いやあなた、これは反則、やりすぎだよ、と相手にされないのかもしれませんが……それならと冷静に見てみれば、巨大クスの多くにおいても「根を計測していない」という確証は得られないのでは……?
やめておきましょう。
この辺りでも、この巨樹、通念常識に対して一石を投じてくる異物的存在感を放っていると思うのです。
6件のコメント
to-fu
見た瞬間笑ってしまいました。いや、むしろ笑わないのはケヤキに失礼では?というくらい。こういう飛び道具的な巨樹と出会うと本当にリスト上の数字とにらめっこしてたらダメだなと痛感します。(逆の意味でも、いやいやこれは無いでしょ…と拡大解釈してアピールしているものもあるので尚更痛感するわけですが 笑)滋賀県に「大将軍神社のスダジイ」というのがありまして、例のごとくまだ記事には出来ていないのですがそれを思い出しました。個性というものはそれだけで大きな武器になり得ますね。
しかしホント地盤沈下したわけでもないでしょうに、どうやったらこんな姿になってしまうのか。まじまじと見つめていると考え込んでしまいそうです。きっと何らかの理由があるような気がするのですが。ケヤキに聞いたら「いや?なんとなくだけど?」なんて言い返されてしまいそう。人間も巨樹も本当にいろんな奴がいるもんだなと。この手の巨樹は好きも嫌いもまず実際見に行ってナンボですよね。ぜひとも実物を見てみたいものです。
狛
to-fuさん>
神様を感じたり生きるパワーをもらう……よりも、おいおいマジですか!?という素直な驚愕をぶつけるのこそ、正当な反応だと思いますね。凝り固まった巨樹を見る目をぶち壊してくれます。
この樹が天然記念物ではなく、水面下で活動(?)しているのも、そういう常識を覆すための役割のようにすら感じられてきます。ええ、多分それは違うでしょうが……。
「大将軍神社のスダジイ」も検索してみましたが、これも形だけは十分、宙をさまよう天空の城。これら巨樹たちは妙に元気なんですが、「大地を離れては生きてはいけない……」という、あの一言の重みを感じますね。
成り立ちについて考察していて、もうひとつ思い浮かんだのが、ひょっとしてこの一里塚にはでかい岩でも埋め込んであるんじゃないか? ということ。根が入り込めず、かの洞杉のようにそれを包むしかなかったのでは? と。
でも、そう、「なんとなく、やってたらこうなったわ」と言いそう。これが気に入ってんだわ、みたいな。笑
秋田県の巨樹の注目株として、ぜひお会いいただきたいです。知っていても、実物を見た瞬間、歓声を上げてしまいますよ。
RYO-JI
ケヤキさん、やり過ぎです(笑)。
個性がヒドイ!
樹木界においては、合体系や伏条更新、ひこばえ戦法など反則スレスレの技がありますが、これは更にえげつないですね。
どうやったらこんな奇怪な姿に育つのか・・・見れば見るほど笑みがこぼれてきますよ。
最初、幹(本来の)は4~5mくらいで根が異様に発達したケヤキかなぁと想像していましたが、
幹で8mは巨樹として充分過ぎる程立派、しかも1.3m地点で22.8mってまさに怪物ですよ。
いやー、これはかなり驚きました。
巨樹のユニーク部門では間違いなく上位入賞でしょう!
狛
RYO-JIさん>
個性がヒドイ! まさにそれですね。笑
分岐、合体、更新いずれでもなく、ただ頑張ってすくすく育ちましたという一本に見えますね。
長寿のケヤキに見られる変形やコブもないし、幹の空洞化も見られないし、灰色で、すべすべした綺麗な肌をしています。
……ヘンな樹。笑(オンリーワンに素晴らしいという意味を込めて。)
どこを測るかで数値は全く変わってしまい、紅白のしめ縄がある辺りでの幹周は6メートル台そこそこと見ました。
しかし、その下部もおそらく土饅頭ではないと思いますし、8メートル程度と謳っても問題はないと思いますね。レントゲン写真を撮って見てみたいですね。
やりすぎ巨樹部門では、「高井の千本杉」などとともに欠かせない存在です。
珍百景とかビックリ巨樹大賞! ではないですが、そういうのも見てみたいですね。笑
鍋
旧国道=街道沿いですので、ご指摘どおり本当はもっと目を引いても良いのでしょうけど、地元民としては昔からあるもの=一里塚ってこんなでしょ、という感覚でスルーしてるのは確かにそうでして。
地元を離れて、各地のいわゆる「一里塚」となっている樹木を見ても、同じような姿の樹木には出会ったことがありません。
スタジオジブリのみなさんに、ぜひ見てほしいなあ、と思っています。
湯沢の町衆は、大晦日には、この街道を通って、町の南端にある「愛宕神社」に二年参りします。
音のない雪景色のなかで、雪の照り返しや月明かりで見る、この槻の木さんは、実に神秘的です。
あと、ここの町内名「吹張」は、なかなか発音が難しいです。fippari。
狛
鍋さん>
仰る通りで、これだけのヴィジュアルですから、もっとずっと目立つものだろうと想像して向かいました。
少し入ったようなところにあって、いや、それ以上に街の皆さんが普通に通り過ぎていくのが意外でした。
見慣れるというのは恐ろしいものですね。笑
実物を見ると、これは実にものすごい樹です。実物を見られてホントによかったなとも思いました。
人工的に形作られた巨樹はよく目にするものですが、それだけでここまでなるものなのか? となにがしかの驚異を強く感じます。
fippari……なんていう発音も初耳で、耳から鱗的に感じました。ありがとうございます。
湯沢市は古い町並みもあって、写真を撮りながら歩いても面白い街でした。
またぜひ遊びにお邪魔したいと思います。