巨樹たち

新潟県上越市「お諏訪さんの大ケヤキ(諏訪神社の大ケヤキ)」

地域の宝、がんばれ大ケヤキ

 2015年、思い付きでの佐渡島・新潟、観光と巨樹の旅。
 帰り道は、下道で新潟県を下って行くことにし、途中、数カ所の巨樹を訪ねてみました。
 上越市のテキトーな宿(真実テキトーな宿だった……)で一泊し、翌朝、走り始めてさほど行かない街中で、さっそく出会ったのがこの大ケヤキでした。
 通りから参道を一本入ると諏訪神社。奥は上越市立稲田小学校です。

 この大ケヤキの名称について一言……

 ・環境省巨樹DBでは「諏訪神社の大ケヤキ」となってますが、同じ名前の樹は多分全国にいっぱいあって、はっきり言って使い物にならない。
 ・現地解説文には「稲田諏訪神社の御神木」とあるものの、Googlemapで「稲田諏訪神社」を検索してもヒットしない……。
 ・一方で、現地にある杭状の名標では「お諏訪さんの大ケヤキ」とあり、上越市のホームページでもこの呼称が使われている。

 迷走なき巨樹との出会いのためにも、どれかに決めてほしいなあ……とは思うのですが。
 とりあえず、ウチのサイトでは併記する形で載せておきます。

 街中ですが、杉並木に加え、巨樹水準に達していそうなモミの大木もあります。
 ああ、ですが、すでにこれらを見ていられる心境ではない。
 奥、奥に、明確にレベルの異なる巨樹が見えているではありませんか。(歌舞伎かなんかの演出みたい)

 今一度、お諏訪さんの大ケヤキ」こと「稲田諏訪神社の大ケヤキ」
 裾を広げる大きな根張りが神社の石畳を押しのけている。

 固い樹皮に、独特の紋様が浮かんでいるのが印象深い。
 ケヤキ巨樹にはサルノコシカケ類のキノコが着生しやすく、高齢のケヤキにとっては、これが致命的なダメージを与えてしまうこともある……。
 この大ケヤキも逃れられていず、数年前、大枝が大きく欠損したと記録があります(2015年当時)。
 しかし、地域の方が手厚く処置を施している甲斐あって、枝葉の緑は健康的な色をして茂っていました。
 ケヤキは秋冬の色づきや落葉も見栄えがするし、四季折々、関心をもって視線を注ぎたいものですね。

 探訪時でも現地データは充実していました。
 写真を見て頂ければ、いかに訪ねる価値のあるケヤキか疑う余地はないかと思いますが、各種データにばらつきがあるので、これも注記しておきます。

 ・現地の解説文によれば、「幹周9.3メートル、樹高25メートル」
 ・しかし、巨樹DBの数値は「幹周8メートル、樹高35メートル」。

 90年代の渡辺典博氏の本にも巨樹DBと同じ数値データが掲載されているので、巨樹DBの数値はその頃から更新されていない可能性が高いかと(ちなみに、渡辺本での呼称は「諏訪神社の大ケヤキ」)。

 樹高が10メートル低くなっているのは大規模折損があったせいと考えられますが、幹周については(わずか30年ほどで1メートルも巨樹が生長するわけはないので)計測高さの違いによるものでしょう。
 まあ、「幹周8メートルのケヤキ」だけでも十分目を捉える巨樹だとは言えますが、いつか近いうちに再計測して統一されると良いですよね。

 樹そのものや、よく清掃された周辺環境を見ているだけでも、地域のシンボルとして大切にされていることがよくわかります。
 親鸞上人が植えてってくれたなんて、ちょっとロマンもありますよね。
 縄文杉のような孤高の存在としての巨樹ももちろん尊いものですが、この樹のように、地域と人々、その歴史とともに在り続ける樹こそ、未来の日本にとって大切な存在となるでしょう。

「お諏訪さんの大ケヤキ(諏訪神社の大ケヤキ)」
 新潟県上越市稲田1丁目6−1
 諏訪神社
 推定樹齢:800年
 樹種:ケヤキ
 樹高:25メートル
 幹周:9.3メートル

 ※環境省巨樹DBでは35メートル、800センチとなっている。

 新日本名木100選
 市指定天然記念物
 訪問:2015.5

探訪メモ:
 街中にあって到達は楽ですが、専用駐車場はありません。
 周囲状況を確認しながら、端に寄せて停めさせて頂きました。
 平日は小学生が多いでしょうし、ご注意を。

追記(2023年):
 「その後」が気になる巨樹でしたが、上越市ホームページやGooglemapの投稿などでもしっかり立っている姿が確認でき、ほっとしました。

 上越市サイト「地域の宝」のページ、面白いです。
 巨樹もいくつか載っていますし、巨樹・歴史探訪旅の計画にはもってこいです。

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