1:
清水寺の開基は808年とされている。同じく、佐渡の自治は大化の改新以後とされ、8世紀以前に佐渡国が置かれている。
この時期に土地の庶民がイチョウを入手して植えるというケースはほぼないので、お寺側の植樹と見るべき。
すると、最大で1200年という樹齢が計算できることにはなる。
2:
上記踏まえ、「イチョウがいつ日本に移入されたのか?」だが、「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)に次のような論文がある。
最近1323年頃(元代前期)中国から博多へ向かう途中、韓国沿岸で沈没した船から引き上げられた遺物の中からギンナンが発見された。
これは、ギンナンが輸入果実としてわが国に持ち込まれた可能性を強く示唆している。
輸入が始まった時期を示す資料は発見されていないが、宋代末期の日宋交易にまで遡る可能性はある。
輸入されたギンナンは室町時代中期(1500年代)までには国内に広まり、その中から木に育つものが出てきたと考えられる。
したがって、伝来の時期は13世紀から14世紀にかけての100-150年くらいの間であろうと推定される。
「イチョウの伝来は何時か… 古典資料からの考察…」堀輝三(筑波大学生物科学系)
1000年も全くありえないわけではないにせよ、だいたい13世紀、つまり、800~700年前程度を樹齢の上限と考えるのが現実的でしょう(中国でも一般に植樹されるようになったのは12世紀とされている)。