解説板(左・クリックで拡大)。
樹勢は確かに悪くは見えませんが、感情移入しやすい目からすると、これを「旺盛」と呼ぶのはちょっと違う感じがする。
旺盛というのはやはり、あのむせ返るような緑と襲いかかって来そうな迫力のことを呼びたい。
これは、人の手による杉、表杉の理想形なのかもしれません。
神社のいわれも書かれていました(右)。
背景に、東北における朝廷と蝦夷の勢力争いがある。「反逆」とありますが、本当に反逆だったか。朝廷が侵略する名目ではなかったでしょうか。
戦勝祈念に一対の杉を植えるというのは、茨城の「三浦杉」も全く同じ。
三浦杉では大妖怪・九尾の狐を討伐するという名目でしたが、化物は比喩で、やはり敵は蝦夷などの地方勢力だった可能性が高いのではないでしょうか。
勝ち戦であった暁にはこの杉、天を衝く巨樹となれ……と祈念するのがセオリーなようで、巨樹=神通力の生ける証明とする。
しかし、樹が枯れてしまうと、逆に神通がないことの証明になってしまうでしょうし、大きくなったのを見計ってその話を後付けした可能性の方が強いと見ます。
諏訪神社は勝負事の神様でもありますしね。
ここでは、「おきな」「おうな」杉と書かれていますね。