日が暮れる前に4本目の巨樹を訪ねておこう……と思ったのですが、道に迷いました。
地図は現地調達! とばかり、最初に町の観光協会にも寄りはしたのですが、案外良い案内図がなかった。
まあなんとかなるだろと、先人がつけたネット上のマップを頼りに移動してたのですが、途中から完全にチベッタン・圏外に。
こいつは困った……しかし、ちょいと深い巨樹探訪にはありがちなケースです。
やはりローカル紙参照できる資料がないと苦労するんです。
見当をつけても2度3度外れました。
いい加減すれ違えないような細い道になって来たので、車を降りて探してみようと試みます。
すると、向こうから愛想の良さそうなおじさんがやって来るではありませんか。しめた。
僕:「こんにちは、ところでこの辺にでかい樫の樹があるということで、歩いて行けるんですか?」
おじさん:「ウバッカシだな! 無理無理無理無理! まだまだ先!」
僕:「えっ、でも地図ではこの近くかと」
おじさん:「どういうわけだか、そういう人、結構いンだよね。この間も若い女らがさ、山に登ろうとしてて……それが、向こうに見えるだろ、あの山な訳。危ねえからやめろって言ったよ」
……どうやら、GPSの類を信じていると、こういう誤差で痛い目を見る土地柄みたい。
まあ、過去にもGPSコードを頼りに行ったらでかい川の対岸違いで途方に暮れたこともあり……。
僕:「だいぶ道狭くなってるけど、樫まで車で行けるんですか?」
おじさん:「いけるいける! 途中これこれこうなってて……」
僕:「ありがとうございます! いやあ聞けて良かった。行ってみます!」
おじさん:「気をつけてね! それと、こういうところでは常にボーを持ち歩くもんだよ」
僕:「ボー……棒ですか」
おじさん:「そう、ボー。それか山刀」
僕:「はあ、はい」