前方、側方から見た感じでは見事に融合しているものが、後方からだと、このように多少こんがらがっている。
「個」の中に、また別の「個」を感じる眺めです。
同時に生育した四本の杉が成長するにつれ合体した……ということでしょう。
この樹だけでなく、「分岐している」と記述される複数幹の杉巨樹のほとんどが、同時生育の合体樹だろうと思われます。
根拠はありませんが、天然杉ではなく、大昔の人の手によって植えられた樹ではないかとも感じる。
枝はそれほど密ではなく、光が多いのであろう一方向に10メートルほども大枝を伸ばしています。
他の樹ではアンバランスになってしまうところでしょうが、この根幹があれば何も問題はないと見せつけるかのよう。