当日、朝は小雨でしたが、のちに快晴、燦燦と降り注ぐ日光の下、その杉は静かに佇立していました。
明らかに単幹ですが、これまで見てきたどの杉巨樹とも似ていない姿。
そして、この幹の色……日光を反射して光って見えるほど、白い。
おそらく、もっと高かったものが雪などで折れたか、樹高はさほど高くはない。
(否、太さとの比率のせいでそう見えるだけで、25メートル以上ある……。)
あちこちから枝を伸ばしているが、ほとんどが折れ、死んでいるように見える。
そして樹皮も、先に見て来た「浄安杉」と同種の樹だとは思えないほど、大部分が白骨化・白化し、石灰岩の塊を削った彫刻のようにさえ見えます。
地上1.3メートルでの幹周は14メートルとされ(環境省データベース値、現地の案内板では13.1メートルとある)、列強ぞろいの杉巨樹のランキングでも全国第5位の存在感を誇ります。
計測が確かなら、あの筋骨隆々とした浄安杉よりも太いということになるのです。