巨樹たち

奈良県宇陀市「室生寺参道の杉並木」

古刹「女人高野」は巨樹的にも必見

 奈良在住の写真仲間、RYO-JIさんには、奈良・三重の巨樹だけでなく、観光にまで誘って頂きました。
 紀行文は別の記事(「2017年・九州~関東 巨樹旅3」)で辿るとして……そうして訪れた室生寺には、巨樹として特筆すべき杉並木が存在していました。

 どの樹がどこにあったか、などの詳細はあえて書きません。
 というか、巨樹規格(概ね目通り高さで幹周囲3メートル)を満たすスギはほとんど無数に生育しており、個々の把握が追いつきません。
 お参りと文化財見学をしながら進んでいくと、次から次へと視線を惹きつける無名の大杉が登場します。

 「日光街道の杉並木」(国指定特別天然記念物)や「羽黒山の杉並木」(国指定天然記念物)などは全国的に有名ですが、あえて、この室生寺の杉並木も「負けず劣らず凄い!」と書かせて頂きます。

 面白いのは、荒々しい岩石質の地形と、日本でも有数の雨量に育まれた結果、一般的な「並木」のイメージを覆すような個性的な大木が出現するところ。
  右のスギの驚異のフォルム……。
 この山中にあって、スギはきわめて野生動物的に振舞っているようです。

 それにしても、ずっと降りしきるその雨のせいで、服もカメラもずぶ濡れ、レンズを拭いながらの撮影では満足いく描写が得られない!
 「ぜひ再訪しなければ」リストがまた厚くなってしまいました。

 進んで、こちらは奥の院へと続く長大な石段(脚がもたない……)の両脇を固めるスギたちです。
 はて……と写真を見返して思うのですが、私はこの時、超広角レンズなど持って行きませんでした。
 それなのに、スギたちの、この極端に歪曲しているかのような伸長具合はどうです?
 樹高の高いスギを見た経験では、茨城県の「三浦杉」などを思い浮かべますが、樹高50メートルにもならんというあの規模よりまだ高いかもしれません。
 目見当ですが、幹周囲は明らかにこちらの方が細く(おそらくは4~5メートルというところ)、そのため怖いほど極端に細長く見えます。
 もちろんこれも、この土地の雨量がなせる業でしょう。

 総括として惜しむらくは、名前付きのスギが存在しないことでしょうか。
 最大のものを代表的な一本とすれば十分見応えがあるのだけど……
 と考えかけて、そんな主張をしないところもまた室生寺の森厳さなのだと、当たり前のことに思い至りました。

「室生寺参道の杉並木」
 奈良県宇陀市室生78 
 樹齢:不明
 樹種:スギ
 樹高:50メートル以上
 幹周:3メートル以上

 訪問:2017.10

探訪メモ:
 本当に素晴らしい古刹、名所です。
 見事な庭園美も感じられ、桜や石楠花の時期は観光客数も増えるのではないでしょうか。

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