巨樹たち 福岡県糟屋郡「衣掛の森」 / 0件のコメント 大樟なり、目通り七十七尺 宇美八幡宮にある二つの巨大クス、「衣掛(きぬかけ)の森」と「湯蓋(ゆぶた)の森」。 まず「湯蓋の森」に出会い、神社の奥へと進むと「衣掛の森」がドンと現れます。 こちらも大きい! 御神木として保護されているのはもちろんのこと、国指定天然記念物です。 「大樟なり目通り七十七尺(25.4メートル) (「湯蓋の森」の文より続く) ……又、産衣を掛けたるを衣掛の森と云う」 応神天皇が産湯をつかった時、衣をかけたのがこのクスだというわけです。 そして、「湯蓋の森」の下で産湯につかったと……。 実際は「衣掛の森」から「湯蓋の森」までは数十メートルあり、そこはちょっと神話スケール。 公式レギュレーションとしては「地上1.3メートル」地点を計測する決められているので、「目通り(地上1.5メートル)」地点では誤差が出てしまいます。 「衣掛の森」の場合、ごらんの通り、少しの高さ変動でグワッと太さが変わり、位置によってはそれこそ神話級の幹周を叩き出せてしまうでしょう。 一応、省庁の計測だと幹周20メートルとなっています。 でもこれ、20メートルで収まる!? 裏手へ回ると、巨大な幹が日を遮り、暗さを感じる。 幹は地上から2メートルくらいのところで分岐しており、細い方の幹は明らかに若い。 ひこばえが巨樹レベルに成長したものでしょう。 太い幹の老朽化を補うように、勢いよく天を目指しています。 しかし、やはり古い主幹の堂々とした存在感が圧倒的。 この地がそれほど肥沃だったのか、あるいは本当に霊地なのかもしれない。 「森」とよばれる一巨樹の威容に、そう実感させられます。 生命力の巨大な塊のような巨樹の前で何組ものご家族が手を合わせ、記念撮影をしていきます。 湯蓋の森と同様こちらも大人気、もちろん両方巡るのがお決まりのコース。 新たな誕生を祝う姿も複数見られ、こちらまで笑顔になれました。 後年思い返して、強力なパワースポットというなら、静岡県熱海市「阿豆佐和気神社の大クス(來宮神社の大クス)」よりもここ宇美八幡の方が実感できた気がします。 まあ、相性もあるんでしょうけどね。 「衣掛の森」 福岡県糟屋郡宇美町 宇美八幡宮 推定樹齢:1500年 樹種:クスノキ 樹高:20メートル 幹周:20メートル 国指定天然記念物 訪問:2017.9 探訪メモ: 本当に気持ちの良い神社。 石を借りていって、お子さんを授かったらその名前を書いて返す(だったかな?)というような願掛けも興味深かったです。 素通りしようもありませんが、もう一本の国天巨樹「湯葢の森」もお忘れなく。 巨樹探訪旅「2017年・九州~関東 巨樹旅2」もどうぞ。 関連