「大樟なり目通り四十八尺 境内には樟の大木三十余あり
其内此樟の下にて産湯を仕え奉られるとき
其の枝葉繁りて湯船の上に蓋の如くなれり依りて 湯蓋の森と云う」
48尺というと、およそ15.8メートル。
おそらく、天然記念物指定を受けた大正期の測定でこれなので、現在ではもっと大きいはずです。
根本からほとんどそのままの太さで立ち上がっており、実物を前にすると驚異的なボリュームを感じます。
「一本」より「一座」と数えたい。
文中、「此樟の下にて産湯を仕え奉られるとき」とあるのは、第15代天皇である応神天皇の誕生を指すそうです。
応神天皇は、一説には「確実に実在が確かめられる最初の天皇」とのこと。
応神天皇が産湯をつかったのがこの楠の真下で、枝葉の茂りがまるで蓋のように覆い被さって見えた。
「湯蓋の森」の名の由来です。