「どんどら」というのは地名なのでしょうか、打楽器系というか、何かしら古代の響きを感じさせる語感です。
それもそのはず、大正時代に行われたという発掘で、この樹の根元から熊襲(くまそ)討伐時代のものと思われる棺が見つかったとか。
この樟は、その墓標として植えられたもののひとつだと伝承されているそうです。
熊襲は大和朝廷に抵抗して平らげられたこの地方の土着の民で、かのヤマトタケルの伝説にも深く関与しています。
4、5世紀くらいにその戦いがあったと伝えられており、ということは、1500年ほど前……この樹も樹齢1500年以上と考えるべきなのか……。
古代の、それも異なる文化と信仰同士の戦いを証しながら、現在もなお巨樹は生き続けている。
なんともロマンがありますね。
神話と歴史が地続きであることを否定させない風格を感じます。