巨樹たち

山形県新庄市「福鐘稲荷のイロハモミジ」

山形県最大幹周のモミジ

 この樹を知ったのは、書籍「山形県 最上の巨樹・巨木(東北出版企画)から。
 イロハモミジでは山形県で最大ともされていますが、市街地の真ん中にあります。

 上記書籍では「福金(ふくきん)稲荷」という神社にあるとされていますが、訪問当時(2023.9)、Googlemapへの掲載がなく、各種記述やストリートビューをヒントに探しました。

 なにより、Googlemapの衛星写真が位置断定の決め手になりましたね。
 見て頂ければすぐわかる……この中央の真っ赤なカタマリが「それ」です。

 店舗の裏手に広場があり、その一角が築山のようにこんもり盛り上がっている……といった見た目。
 この広場には(店舗から見て)裏の通りからもアクセスできました。

 現地で知りましたが、「福鐘稲荷」、でもこれで「ふくきんいなり」と読むらしい。
  新庄市のデジタル化資料を検索・閲覧できる「新庄デジタルアーカイブ」に掲載を見つけました。
 商売繁盛の稲荷+福+金とは、ぜひ参詣したいところでしたが、築山上へは進入禁止になっていて果たせず。

 他にも各所に落枝注意や駐車禁止の張り紙が数多く掲げられています。
 無断駐車されたり、通り抜けの車両が危ないなど、市街地ゆえの事情があるのでしょう。
 上記書籍を読み返してみると、(要約)巨樹を汚す輩がおり、祟られるであろう」みたいに書かれているので、過去にそのような事案があったのかも……。
 ともあれ、日が傾いてきたこともあり、自分としても短時間の滞在にとどめることとしました。

 敷地を傘のように覆う長大な枝と、星形の葉の奔流が見事。
 手前に写っているのが最大の個体で、そう大きくなる樹種ではないながら、確かに異例に太い。
 幹周囲5.69メートルと標柱にデータがありますが、天然記念物指定はされていない様子。

 築山上に他にも3、4本も幹が林立しているのが興味深い。
 最大株と同年代程度に古そうなものもありつつ、勢いあるモミジが土地を我が物にしているかのようで頼もしいです。

 まあ、それにしても……モミジ巨樹にはどうしても紅葉を求めてしまいます。
 やっぱり、一度見てみたいですね。笑

「福鐘稲荷のイロハモミジ」
 山形県新庄市上金沢町8−36
 推定樹齢:不明
 樹種:イロハモミジ
 樹高:15メートル
 幹周:5.69メートル

 樹種別(モミジ)幹周県1位
 訪問:2023.9

探訪メモ:
 訪問の際は、周囲へのご配慮を。
 「鳥越一里塚のブナ」からも数百メートルの位置。
 また、新庄市立図書館には、前身のお屋敷から引き継いだカヤの巨樹もあるそうです。

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