大杉の根元には、複数、獣が掘った真新しい穴が。
解説板は神社と湧水の隣にあり、先に目に触れます。
幹周囲11.5メートル以上。副幹を入れたスケール感は、13、4メートルにも匹敵するでしょう。
東北を代表する巨杉の1本と呼んで間違いないはず。
再度、山形県「松保の大杉」ときたら、ライバルは岩手県「白山杉」と即座に応じる。
いやしかし、これで町指定天然記念物とは……見る目ないのか?
疱瘡(天然痘)への言及があるのも興味深い。山深いこの地でかつて流行した歴史があるのでしょう。
「疱瘡神が宿る」とありますが、まさにパンデミックのことで、避けられないなら祭って最小限の被害で去っていただこう……という信仰。
各地にある鍾馗や犬張子なども、元は疱瘡神を避けるためのもの。この地域では藁馬が該当するのでしょう。
「殿様と醜いお姫さまにまつわる悲しい伝説」
……これが非常に気になって調べたのですが、出て来そうで出てこない。回り回って手がかりを掴むこともある。今後も気にしたいと思います。(※)
急に気圧が下がり始め、雨まで降り始めました。
山がざわめいている。この大杉が本当に怖い姿に見えないうちに……と、場を後にしました。
4件のコメント
to-fu
真っ先に富山県の洞杉群を思い出しましたが、単体で比較すると最大の洞杉をも凌駕するほどの大きさに見えます。これは凄まじい迫力。この手のウラスギは幹周が参考程度にしかならないくらい実物の方が遥かに巨大ですよね。ああ、これは現地に立って見てみたい。完全ノーマークの巨樹でしたが仰るようにこれが町天とは信じられません。県内どころか東北地方を代表する巨杉の一本といってもいいくらいだと思いますけどねえ。
大迫町の伝説を探っていたらこんなもの(https://www.city.hanamaki.iwate.jp/kosodate_kyoiku/sho_chugakko/website/1007129/1008412/1008411.html)がありました。冒頭に芦毛の馬を生き埋めにして勧請していたという記載があるので、この地域での藁馬は馬の供養も兼ねているのかもしれませんね。
RYO-JI
これで町指定天然記念物だとは俄かには信じがたいですね。
決してサイズだけで指定のクラスが決まるとは思っていませんが、にしても国天であってもおかしくないでしょう。
神社が小さな祠に見えるくらいの大きさで、これは圧倒されますね。
ウラスギ特有の獰猛とも言える荒ぶる姿に目を奪われます。
ハッキリ言って一人で対峙するのは怖い、確実に気を飲み込まれると思いますね。
道からのアクセスがすこぶる良いのに、山深い中に君臨する野生度満点の巨大杉に感じるから不思議です。
「山衹桂」のすぐ隣にある・・・いやぁ岩手県もスゴイ所ですね!
狛
to-fuさん>
情報ありがとうございます。いやあ、ひとりでやっていたらこういう発展はないですから、なんとも張り合いを感じます!
岩手の民話や昔話って独特なところがあり、たびたび気になるんですよね。
えっ、ここで鈴鹿御前が出てくるかね? とびっくりしました。
三重の鈴鹿山の鬼女で、坂上田村麻呂に討たれたとか夫婦になったとか、深い因縁がありますね。
明らかに征夷大将軍と蝦夷、土着と中央の絡み。遠野あたりにも伝承があるようで、根深そうです。
世界ふしぎ発見のネタくらいにはなりそうなスケールを感じますね。
岩手県の巨樹はどこか地味かなと思ってたんですが、なんのなんので、ここへきて「松保の大杉」と比肩できる巨杉に出くわすとは思ってもみませんでした。
やはり、実際に見に行ってみるものですね。いかつくて、見下ろされるとこちらは縮み上がるしかないような巨大さです。
もちろんぜひ見ていただきたい樹ですが……どうでしょう、奥花巻の温泉宿に泊まって、このへんじわじわ巡ったりして。
居心地いいから帰りたくなくなってしまうかもしれません。笑
狛
RYO-JIさん>
そうなんです。これが町指定なら何が県、国指定? と思ってしまうんですが……どういう基準でランクアップ、いや、それってランクアップなんでしょうかね。それすらもよくわかりません。
ともかく、「山祇桂」「白山杉」ともに健全な環境にいるようですので、これでいいとは思います。
天候もあったんですが、まるきりこの樹冠に飲み込まれてしまうので薄暗いし、正直、怖かったです!
ああ、俺、負けてる……っていう。まあ、ハナから巨樹に勝てるわけがないんですけどね……。
まさか隣同士にあるとは思いませんで。
ただ、標識も小さいし、幹も見えないので、予備知識ない人は素通りしてしまうかもしれません。
RYO-JIさんにもぜひ見ていただきたい荒々しさです。