斜面方向にだけ付いている、異様にうねった触手のような枝、また枝。
異形。千手観音が多くの腕々で印を結んでいるような凄みを感じます。
全体像を捉えづらいのですが(フレームに入りきらないほどデカい)、巨大な柱のような主幹とこの異様な細部の取り合わせは、人の想像を超えた滅茶苦茶な迫力を生んでいます。
おおお……と、眺めては震えるしかない。
金剛羅漢は寺院への魔の侵入を防ぐため怒りの形相で門を固めていますが、ここでは、まさに巨杉たちがその役割を果たしている。
向かって右のスギも、同様に多腕の個性を発揮し、かなり軟体的な風体です。
崖から落ちそうになりながら撮っていたので、時折この樹に支えてもらいました。