実に逞しい。目通り幹周囲はクリにあるまじき8.5メートル。
樹種特有の「硬く重い」比重感が加わり、スギなどとは全く違った雰囲気をまとっています。
樹皮はごつごつとして陰影を生みやすく、枝は長く伸びてうねっている。
ともすればおどろおどろしい見た目になりそうなところ、この巨樹はとても大らかに感じます。
そろそろ落葉する準備段階だったかもしれませんが、黄緑色の広葉の茂りは視界を明るく照らしてくれました。
親しみが湧く、逞しくも暖かい樹。
「大きな栗の木の下で」なんて、ここでこそ歌う歌だったんだろうな……なんて思いました。
思えば、大きな栗の木の下になんて、入ったことがなかった。
ああ、こういうことか……と、しみじみ。とても居心地が良かったです。