やがて訪れる、「稲荷の大杉」の申し分ない登場シーン。
説明の必要すらない一本杉。胸が高鳴ります。
片側が斜面で、簡素ながら柵で囲われていることもあり、決まった位置から撮影するしかない状況ですが、重厚な存在感は十分味わうことができます。
解説板にありますが、716年の古文書にすでにこの杉が「大杉」と書かれているという。
とすれば1300、いや1500歳をゆうに超える老樹ということになりそうです。
幹の立派さに比して枝張りはあまり大きくなく、そのお歳ゆえと感じなくもない。
雪の影響なのでしょう、大枝が折れて地面に転がり、苔むしている。
背の高い樹ですが、幸い落雷は受けていないようです。
裏杉の荒々しさというよりも、厳しい環境を黙々と生き抜いている樹という印象を受けました。