巨樹たち

茨城県鹿嶋市「鹿島神宮の大杉(御神木)」

根幹規模は想像するのみ

 「目通り高さで幹周囲3メートル以上」。
 その基準さえ満たせばよいというなら、鹿島神宮の参道は巨樹だらけです。
 中でも最大最古なのがもちろん御神木の大杉で……しかし、(地元だったゆえ)何度も歩いた記憶はあるのに、いったいどこにあるのかピンとこない。
 知らないと見つけられない巨樹かもしれません。

 拝殿を参詣し、振り返ると……ああ、あれですね。となる。
 拝殿の後ろに本殿があり、そのさらに真後ろに御神木が立っている。
 事前情報は得ていつつ、ウロウロすればまだ何枚か違う角度で撮れるとは思っていたんですが……ここまで完全に観察不能だとは。

 ・幹に多くの宿り木をつけ、葉は長く神代杉の様相を見せている。
 ・鹿島神宮の森の中でもひときわ高さを誇り、昔、漁師たちは、沖から見える御神木で位置を知ったようである。
 ・また、嵐の夜には御神木の頂きが光ったという逸話が残っている。

 なにぶん実物が見えないので、茨城県のサイトから引用させて頂きます。
 漁師たちが灯台代わりにする話は、山形県「山五十川の玉杉」などにも見られる。
 鹿島灘にかけて真っ平な地形なので、昔は実際に見えたのかも。

 データによれば幹周囲9メートルを超えるそうで(渡辺本では9.4メートル、巨樹DBでは1080センチ、県サイトでは11メートルとある)、茨城県内でも指折りの巨杉であることは違いなさそう。

(2020年冬には大規模な足場が組まれての処置が行われていた模様。拝殿との距離感、大杉の大きさが感じられる)

 鹿島神宮宝物殿は数年に一度開陳され、非常に興味深い内容を垣間見ることができますが、大杉観察の機会は一般的にはアナウンスされていないと思います。
 巨樹愛好者ですと頼み込んだところで見せてもらえないらしいし……アタマの部分は見えてて、意欲を刺激するんですけども……。

 というわけでメインはアンタッチャブルですが、鹿島神宮には他にも、

 ・「二郎杉」、「霊杉木」
 幹周5~6メートルくらい。
 拝殿近くにあり、「二郎杉」は推定樹齢700年とされる。一般的なイメージのご神木に近い。

 ・奥参道脇を固めるモミやカヤなどの社叢は、全域が県の天然記念物に指定されている。

 ・御手洗池にほぼ水平に身を乗り出しているスダジイ

 ……などなど、間近で観察できる巨木たちの価値も高いと感じます。

「鹿島神宮の大杉(御神木)」
 茨城県鹿嶋市宮中2306−1
 鹿島神宮
 推定樹齢:1300年
 樹種:スギ
 樹高:40メートル
 幹周:10.8メートル(しかし全く見えない)

 県指定天然記念物
 訪問:度々

探訪メモ:
 とても大きな神社ですので、年中通して人通りがあります。
 初詣の時期は近づくことすらままなりません。

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