先の樹だけでも結構な満足感がありましたが、ここは「森」です。
他にも数々大きな椎があるのですが、特に目立つのは奥にあるもう一本のこの樹。
これまた妖しい形をしています。
これはもう、見ての通りバランスがおかしい。
幹周囲は前のものよりも小さそうですが、大枝の規模は大きく、つんのめるような姿勢で成長を続けています。
しかし、つんのめりはしない。
どういう根の力なのか……そういえば、恐ろしい成長力を持った竹の群衆に囲まれながら平気でいるのも、考えてみればすごいことです。
見上げると、枝々の格好はさらに複雑怪奇です。
幹が横ばいになっているのに、枝は皆天に向かっている。
それぞれが光を貪欲に求める触手となって身をひねり、這い回っている。
おそらく主幹レベルでは大きく損傷した箇所があり、大枝が代わりの幹のような役割を担ったため、こんな格好になってしまったのでしょう。
改めてスダジイのしぶとさと柔軟さを実感させられます。