かつて。
朝廷は、類稀なる力を帯びたる陰陽師・賀茂◯◯(墨塗により消失)に密かに命じた。
「神界への扉を開くべし」と。
賀茂◯◯は、大陸より持ち帰りしと云う秘術を十四夜の祭祀の後に行使し、其の命に応えんとした。
しかるに、術中何らか謬りがあったものか……
地凄まじく揺らぎ動き、黒雲稲妻のさなかより人智遥かに超越せし異常なる何者かが現出せんとした。
其処に居合わせた多くの者が死んだ。極めて惨い死に様であった。
賀茂〇〇においても大傷を被り、恐れた彼は、自らの術にて引き開けし神界の扉……と思しきもの……を決死の念で再び封じ込めにかかった。