サイカチ。
改めて調べてみると特徴豊富な樹種です。
前述のように豆をつける(よく見たら、足下には豆の小山ができていました)。
この豆は薬になり、痰を止める薬や利尿薬になったりする。牛や馬の薬にもなる。
また、この莢にはサポニンが含まれていて、手で揉むと天然の石鹸になる。洗髪や骨董品を洗うのに現代でも有用。
枝は長いトゲだらけだが、このトゲも漢方ではリウマチ薬として用いられる。
豆は硬く、おはじきにして遊べる。傷つけられないと吸水しないので、サイカチマメゾウムシの幼虫に齧ってもらわないかぎり発芽しない。
……云々云々。
めちゃくちゃ面白いじゃないですか。
さらに加えると、地方によってカブトムシのことを「サイカチ虫」と呼ぶと読んだことがありましたが、これはサイカチが樹液をよく出し、カブトやクワガタが集まるからだそうです。
この大サイカチも、拡大してみてください、液が垂れているように見えないでしょうか。
4件のコメント
to-fu
サイカチ、皀莢、皂莢…いやあ恥ずかしながら読めませんでした。
名前だけは聞く樹種ですがマメ科であることを含めて全く知りませんでしたよ。
ちょっと調べてみたら京都市内に「皀莢町(さいかちちょう)」という地名があるみたいです。サイカチの巨樹自体は仰るように関東以北のものがほとんどのようですが、京都市の隣の亀岡市にも一応巨樹巨木クラスのものがあるそうで。サイズ的にスルーしていましたが、なるほど確かに調べるほどに面白い樹種ですね。実際にこの目で見てみたくなってきました。
それにしても美しい新芽ですね。巨樹探訪の再開にふさわしい新緑。
こういう写真映えする緑を見てしまうと、今すぐにでも出発したくなって困ります。
狛
to-fuさん>
読んだ覚えはあるんですが、この字面をいきなり出されると、語尾に「?」がつきますよね。
マメ科は種類がとても豊富で、草から蔓から巨樹まであるし、特徴豊富で調べるのも楽しかったです。
海側の生活ではほとんど視界に入ってこなかったですし、山野の樹ということなんでしょうかね。
しかも日本の固有種。植物の色々な側面をフルに活用していた昔の人の生活を想像させてくれます。
東北の巨樹を探しているとサイカチもちらほら出てくるんですが、それのみのために出かけたことはありませんでした。
一度前に立つことができると、見方がわかりますね。
今後また楽しめそうな樹種が見つかって嬉しいです!
RYO-JI
巨樹情報を探っているとたまに目にする樹種ですが、そのサイズ感的にいつもマークせずにいました。
しかしなんという個性派、何かとお役立ち度の高い樹種じゃありませんか!
今後見方が大きく変わりそうです。
そして充分巨樹らしい貫禄を醸し出せる樹齢とその見た目に惹かれます。
樹皮から感じる歴史や幹の痛々しさと新緑とのギャップがスゴイですね。
そりゃこんなのがドライブ中に目に入ったら驚いて急ブレーキもんですよ(危ない)。
偶然に出会った巨樹はより印象深いものとなるでしょうね。
狛
RYO-JIさん>
これをいうとアレなんですが、サイカチの巨樹があるところ=のどかな田舎、という印象があります。笑
とっつきからすれば、どうしても5、6メートルの幹周のものは後に回してしまいますね。
サイカチは特徴だけ列挙すればトップクラスの樹種かもしれません。
スギ、ヒノキなんかはそりゃあ建材としてはものすごい需要ですけれども、これだけ色々な部分を色々なジャンルで活用できるというのは大変面白いです。
傷みがあって、御神木でもないので治療もされていない。
それでもまるで自分には自分の生き方がある! と言わんばかりの新緑に心が躍りました。
前にRYO-JIさんに奈良で見せてもらった路肩の巨樹もそうでしたが、うわっ! と声が出ますよね。
絶対帰りに寄る!! と、良い出会いでした。