道中、別段何も険しい要素はなく、あっさり称名寺にたどり着きました。
綺麗で立派なお寺で、もうこの段階から、冬でもこんもり青々と盛り上がるシイの木が見えていますね。
その手前にあるアカマツも見事な大きさです。
風光明媚かな。
この時の印象を正直に書くと、ちょっとお金持ちで派手目なお寺なのかな……と、失礼にも思ってしまいました。
あれこれ言うわけにいきませんが、その手のお寺に国天の樹があるという構図には、経験上、ちょっと嫌な予感を覚えます。
が、結論から言えば、そんな心配は全くの不要、まさに失礼の他何ものでもありませんでした。申し訳ありません。
ある種の華やかさがありながら、称名寺にはきちんと厳かな空気感があり、そこにある巨樹もまた、国天の認定に何の不足もないものだったのでした。
朱色の門前まで行くと、向こうにシイの巨大な姿が現れます。
ほぼ、シイのための額縁。向こうが見えない。
いやがおうにでもこの樹が特別な樹であるのだと印象付けられる眺めです。