巨樹たち 栃木県益子町「西明寺のこうやまき」 / 0件のコメント 森林の多彩な準巨樹も見どころ 走行時に偶然出会い、その大きさに目を奪われた「小川屋前のマツ」、そしてもちろん益子の焼き物街で買い物を楽しみました(点数多くて時間が足りない……)。 その後、東へ車で15分ほど進む。あとはもう山しか見えないという位置に、古刹「普門院 西明寺(さいみょうじ)」があります。 周囲の山全体が自然公園のように認定されている様子。 特に樹木好きは見どころをたくさん見いだせるのですが、すでに16時も回りつつあり、参拝と目的の巨樹に会いに急ぐとします。 西明寺本堂。 石段前の石柱に「獨鈷山(とっこさん)」という名がある通り、真言宗のお寺(獨鈷は真言密教の法具)。門や三重塔は国指定重要文化財指定を受けています。。 有名なのは閻魔堂の「笑い閻魔」。笑ったような顔をしているということですが、時間が遅くて怖いので、覗くのはやめました。 日本最初の日記文学ともいわれる「土佐日記」の紀貫之にもゆかりがあるという。紀一族は益子に移住したんですね。知らなかった。 さて、目当ての巨樹は、本堂のすぐ右手にあります。 「西明寺のこうやまき」。 なるほど、真言宗なら高野山を感じさせるコウヤマキの巨樹があってしかるべきです。 明るい赤褐色の木肌にわさわさとした樹冠、かといって全体的な樹形はスギに似ている気もする。特徴的な日本固有の樹種です。 この樹は、一目見て、まさに健康的なコウヤマキの巨樹のお手本のようだと感じました。 密度濃い緑の樹冠の下に入ると、細かい枝が枝垂れながらうねっている。これもコウヤマキの特徴のひとつだと思います。 宮城県「祇劫寺のコウヤマキ」では、それをそのまま伸ばして傘状に根本まで覆い尽くすようになっていたのを思い出します。 樹皮の剥がれはあるものの、樹勢に問題はなさそう。 コウヤマキはスギほどは大きくはなりませんが、長命な樹種です。 現地解説板および益子町のホームページでは、 「承元3年(1209)土御門天皇の御代宇都宮景房(うつのみやかげふさ)が本堂再建の記念として植えられたと伝えられて、北関東最大のものである。」 として、樹齢を800年余りと推定しています。 真っ二つに裂けつつあるような樹形にも見える幹は、幹周囲5.4メートルとあり、「北関東最大」とも。 確かに、同栃木県「日光東照宮のコウヤマキ」の幹周4.5メートルよりも太い。 でも……と、これもやはり栃木県「那須町のこうやまき」、あれは太かったぞ、と引いてみると、幹周5.4メートルで互角でした。 なるほど「北関東最大」に過言はないかもしれません。 日暮れの時間で、樹下はもう暗くなり始めていました。 コウヤマキにお礼を言って、石段を下りがてら、上りでも気になっていた陰樹を撮る。 シイ、そしてカシ。幾本もありますが、なかなかの大きさがあります。 切られずにもう百年ほども経てば、皆が皆巨樹になってしまいそうな迫力です。 西明寺周辺の森林一帯が「西明寺の椎林叢」として県天然記念物に指定されています。 さまざまなシイやカシはもちろん、深いところではブナも自生しているそう。 まさに温暖地と寒冷地の境界のような面白い植生になっているようです。 ダメ押しのように、駐車場降りてすぐのところに立つ二又のクスノキ。 幹周6~7メートルはありそうですが、そう、クスノキもだいぶ暖地の樹種ですよね。 すくすくと育っているこちらも町指定天然記念物。 見どころに恵まれた、栃木の豊かな山を体感できました。 「西明寺のこうやまき」 栃木県芳賀郡益子町益子4469 普門院 西明寺 推定樹齢:800年 樹種:コウヤマキ 樹高:30メートル 幹周:5.4メートル 訪問:2026.5 県指定天然記念物 (森林全体も県天) 探訪メモ: 登る道はそこそこ急ですが、舗装はしっかりしているし、一般車がすれ違えないほどではないです。 参拝者用の数十台ほどの駐車場あり。 時間が合えば、カフェでお茶も飲めます。 関連