巨樹たち

岩手県紫波郡「志和古稲荷神社のスギ」

古さを感じさせない健康大杉

 2026年。春になり、久しぶりの巨樹訪問。
 岩手県紫波郡紫波町の市街地から15分ほど走り、「志和古稲荷(しわふるいなり)神社」を訪ねました。
 実はここ、隣接して「志和稲荷神社」もあり、今回の順路ではまずこちらの入り口、真っ赤な巨大鳥居が目につきました。
 (「志和稲荷神社の大杉」の記事はこちら

 ニュー志和稲荷に統合してしまわず「古」とつけて残している。しかも「古稲荷」は「こ・いなり」ではなくて「ふる・いなり」という読みなのも面白い。
 しかし、その名からして朽木色の暗くてじめっとした神社を想像していたら、意外や意外、鉄骨造の大きな看板と舗装された広い駐車場、整備の行き届いた境内のある立派な神社でした。

 鳥居をくぐると、これはもう見誤りようがありませんね。
 右手に見えるのが当社のご神木の大杉。正式名がわからないので、「志和古稲荷神社のスギ」と呼びます。
 こちら側、つまり参道側に向けてさし伸ばしてきている大枝の迫力に、おおっと声が出ました。

 おそらく拝殿側の枝は古くから剪定されてきたのだろうと思いますが、これぞオモテスギと言わんばかりに真っすぐ直立した幹が頼もしい。
 帰ってきて検索するも、なかなかデータに行き当たりませんでしたが、かつての環境庁調査「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」において幹周590センチという記録があるようです。

 これも特色として書いておいていいと思いますが、健康状態が良さそう。
 上記計測からもだいぶ年数が経っているし、まず幹周6メートル以上あると言って間違いではないでしょう。
 ちなみに、見た直後にメモに「目測6メートル」と書きつけており、おお、自分の感覚も案外衰えてはいないなと。

 社殿のすぐ横にもう二本スギがあり、こちらも余裕で巨樹と呼べる大きさ。太い方は幹周4メートル程度あるのではないでしょうか。
 樹種の異なる大木も……これはなんだろう、クロベのようにも見えますが、気になる存在感でした。

 スギ自体に解説はありませんが、かわりに境内中央にこんな秘跡が。
 覗き込むと本当に安置されており、ありがたく手を合わせてきました。

 気象庁のサイトによれば、アイオン台風とは、「昭和23年(1948年)9月15日~9月17日にかけ岩手県で甚大な被害をもたらした」台風だそうで、「期間降水量が仙台で351.1mm、宮古(岩手県宮古市)で249.3mmなど東北地方の太平洋側で大雨となった。岩手県では北上川やその支流が氾濫し、一関市を中心に700名を超える死者・行方不明者」を出したそうです。

 その時倒壊したという800年もののご神木も、一目見てみたかったものですね。

「志和古稲荷神社のスギ」
 岩手県紫波郡紫波町升沢小森108
 推定樹齢:300年以上
 樹種:スギ
 樹高:35メートル
 幹周:6メートル

 訪問:2026.4

探訪メモ
 高速で紫波インターで降りれば、ほぼノンストップ感触で到着できるはず。
 余裕たっぷりの広い駐車場があります。
 対となる「志和稲荷神社の大杉」も巨樹好きなら絶対見逃せません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA