巨樹たち

秋田県湯沢市「おしら様の枝垂れ桜」

樹勢、景観ともに見事

 東北の桜の開花は遅い。言うまでもない事実ですが、東北は広く、見ごろをひとことで言うのは無理があります。
 有名な青森県の弘前城の桜はGW中盤~後半、著者が近年ハマっている岩手県ならおおむねGWの前半辺りにピークが来る……それも気候変動のせいで年々早まっている気がしますが。

 秋田県南部、湯沢市辺りならどうでしょう。実は、近くを通りかかった折に気づいて立ち寄ったのがこの桜。
 同緯度の岩手県を思い浮かべて「あわよくば」という、そのたくらみは成功しませんでした。やはり岩手県はやませの影響とかで少し冷えるのかもしれません。

 左手に立っているのが「おしら様の枝垂れ桜」。
 「GW前半ではすでに遅い」、これを憶えておくとよいかと思います。
 湯沢市ホームページ内、2026年の「観桜会」のページはこちら。
 手前の桜にはまだ花の軸の紅色が残っていたりして、一週間~10日、遅かったくらいでしょうかね。

 見ての通り、遮るものがなく、たいへんのどかで心地よい田舎の景観の中にあります。
 すぐ近くを流れる田畑の用水の水音も涼しく、桜は終わってしまったけれど、ああ良いところに来たな……としばし伸びをする。

 咲いていなくとも、この樹の大きさは十分見るに値します。
 幹周3.6メートルあるとされ、遊歩道から仰ぎ見ると、ブワッと視界全体を枝垂れた枝が覆い尽くし、とても涼しい。
 立ち姿の見事さが記憶に残る名桜だと感じます。

 白山は石川、岐阜、福井の境にまたがる霊峰で、岐阜県「石徹白の大杉」、岩手県「白山杉」を筆頭に関連巨樹も多数あります。
 白山信仰が東北に持ち込まれた際、そこで祈られたのは主に豊作。ごく自然に養蚕や農耕馬の健康、つまり「おしら様」信仰と合流した……というお話のようです。

 いつか見てみたい満開を想像する……。
 地区でスペースを設けて頂いているものの、花の時期には、駐車・進入ともに大変困難でしょう。
 かといって近くに停められる施設などもないので、行く前には入念な戦略立案が必要と見ました。

「おしら様の枝垂れ桜」
 秋田県湯沢市横堀赤塚61
 赤塚白山神社
 推定樹齢:200年
 樹種:エドヒガン
 樹高:10メートル
 幹周:3.6メートル

 市指定天然記念物
 訪問:2024.4.29

探訪メモ:
 近くに「川連のホオノキ」「愛宕一里塚の大槻木」など、出色の巨樹も点在しているので、そちらもぜひ。

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