巨樹たち

茨城県行方市「西蓮寺大銀杏」

霞ヶ浦の古刹で黄葉を見る

 霞ヶ浦にほど近い古刹、西蓮寺の大銀杏。
 茨城県内でも有名な秋の名所で、近くを通るたび、何度か足を運びました。

 この辺りは一年を通じて比較的温暖。毎年12月はじめ頃が黄葉の見頃のようです(掲載写真のタイムスタンプは2017/12/9となっています)。
 もっとも、暖冬の年や、イチョウの巨樹は個々で黄葉時期が変わる感じもあります。
 観光協会のサイトなどで近い情報を得てから出発すると良いでしょう。

 西蓮寺の門を入って先に出会うこちらが一号株。
 地上1.3メートルでの幹周囲6.7メートル、樹高は28メートル。
 乳柱(気根)も複数本見えます。

 説明によると、明治に西蓮寺ほぼ全体を焼いた大火災でこの樹も燃えたらしく、燃えた分細くなってしまった……とのこと。
 どこかバランス的に不安定で、イチョウの巨樹特有のどっしりした感がないのもその影響だと思われます。

 一方で樹勢は良く、形の不均等さがかえって造形の面白さとなっている感があります。

 数十メートル奥にある二号株。
 こちらの方がどっしり大きく、根元にはお稲荷さんが祀られています。
 こちら二号株は堂々とまっすぐに立ち上がる体躯を誇っています。
 幹周囲9.1メートル、樹高は一号株と同じ28メートル。
 (データは環境省の登録値)

 年代は同じくらいのようですし、燃えなければ一号株もこの樹と同じくらいの太さがあったのでしょうか。
 こちらは火事で被害を受けなかったものの、大正時代の台風で途中から折れ、樹高が低くなったそうです。
 確かに太さの割にはそこまで高くなく、裂けたような格好をしている。

 横へも盛んに広がってどんどん巨大化する銀杏ですが、ひこばえを出して傷を修復して行く途上なのかも。
 長く生きるということは大なり小なり無事ではい難いもの……と、そう言われた気がしました。

 裸子植物の銀杏には雌雄がある。この2本の巨樹はどちらも雄株なので、ギンナンはとれない。
 反面、あの強烈なギンナン爆弾にさらされないのは、黄葉鑑賞・撮影にとっては良い面ですね。

 西蓮寺は弘安2年(1287)、元寇の戦勝記念で建てられたそうです。
 開山した最仙上人の御杖銀杏という記載があり、例の「刺した杖が巨樹に」という謂れがあるようです。
 茨城県でもトップクラスの銀杏の巨樹だと思います。

夏季に訪ねるとこんな感じ

「西蓮寺大銀杏 一号/二号株」
 茨城県行方市西蓮寺
 推定樹齢:1000年
 樹種:イチョウ(雄株)
 樹高:28メートル/28メートル
 幹周:6.7メートル/9.1メートル

 県指定天然記念物

 訪問:2017.12.9、2018.5、
                 2019.1.3

 探訪メモ:
 有名なお寺で、アクセスに難はありません。
 黄葉時には観光バスまで動くようです。
 実際、撮影時には途切れることなく見物客の方が。
 何枚か記念撮影のシャッター係もやりました。笑

 霞ヶ浦を眺めつつ、のどかな風景の中をドライブするのは冬でも楽しいです。
 降雪もほとんどないので安心。
 近くの巨樹「出島の椎」などを一緒に訪ねてみてはいかがでしょうか。

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